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M.ヤナガワの遊び場です。
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M.ヤナガワ
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女性
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来年は湘南大相模の時代だと確信しています。
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チャー×歩


 部室棟というのはえてして放課後に混雑するもので、昼間に人が少ないことは言わずと知れている。そして校舎には必ず死角となる部屋が存在しているのも珍しくなかった。
 それに気づいたのは入学して間もなくのことだったが、それを利用するようになったのはつい最近のことだった。何故使わなかったと尋ねられれば、使い道が思いつかなかっただけだ。
 そしてその部屋の使い道は、歩を連れ込むことに他ならない。
 互いの家でするには時間の制約が厳しかったし、歩はひどく家人の存在を気にしていた。歩の言い分が理解できないわけではなかったから、チャーは譲歩案として部室棟の、バスケ部とほど遠くない空き部屋を提案した。
 顔を真っ赤にして嫌がった歩も、一度乗り切ってしまえば度胸がついた様子だった。以来昼間の逢瀬はここと決めている。
 もっと安全な場所は他にもいくつかあったのだが、チャーは歩にそれを教えなかった。日常と紙一重くらいのスリルがあったほうが面白いと思っているからだ。歩もきっと気づいている。それでも歩はチャーに異論を唱えることはなかった。
 半ば強引に始めた関係は、切り出したチャーのほうが立場は弱かったはずなのだが、いつの間にか形勢は逆転していた。
 二人きりの教室には、日常から隔離された世界が確立されていた。
「なあ、咥えて」
 短くチャーが指示するだけで歩は何を指しているのか理解している。歩は言われるがままに変化を始めたチャーのそれを衣服から引き出すと、口に含んだ。
 チャーも歩も随分と感覚が麻痺してきた。最初はチャーも歩にそれを頼むことは一大事であったし、歩も躊躇して渋っていた。それが今となってはごく自然な一連の儀式となっている。
 随分な進歩だと思っているのは、チャーだけではないだろう。
「く…」
 自分の限界が近くなると、チャーも歩を気遣うことはできなかった。既に咽んばかりにチャーのものを口に含んでいる歩は、咳き込むのを必死に耐えている。それでもチャーは歩に構うことなく、更に激しく歩の喉奥に腰を打ちつけた。
 口腔の最奥の感触がえも言われぬ快楽をもたらすことは、歩にさせて知ったことだ。
 歩の口中でチャーの欲望が弾ける。痙攣するように身体が動くのを、歩の頭をつかんで自制した。暖かい歩の舌に、自身の精液が絡んでいるのだろう。
 チャーは頭から手を離して歩を解放する。しかしティッシュケースに伸ばす手はすかさず制止した。
「飲んで」
 チャーを見遣った歩の目は大きく見開かれていた。恨めしそうな目をしていたが、歩は反抗しない。
「ゆっくり飲んで」
 注文をひとつ増やした。瞳の色は驚きのほかにほんの少し怒りを含んでいるように見える。当然だろう。チャーは自分が歩に怒られて当然だと自覚している。
 それでも歩に平然と指示できるのは、歩の怒りがこちらに向かないことに確信を持っているからだ。
 チャーから解放された歩には選択権が与えられている。しかし歩の手はティッシュケースへ辿りつくことがなかった。
 代わりに歩は口元を押さえている。苦しそうに顰めた眉は、口中に放たれているチャーの欲を持て余しているのだろう。吐き出す様子は一向に見られなかった。
 一度、二度、と歩は液体を嚥下する。歩の喉が動くさまを見るのは、チャーにとっては射精の瞬間と同じくらいの快感だった。
「ごめん、マズかった?」
 精液の味など考えたことがない。しかしそれでも達した後に部屋に充満する余韻を考えれば、決して好んで口にできるものではないだろう。
 口の中のものをどうにか処理した歩が手を伸ばした先は、もはやティッシュではなく、口直しにとあらかじめチャーが用意していたスポーツドリンクだった。
 まだ開封されていなかったキャップを勢いよく回し、同様の勢いで歩は一気にそれを飲み干す。
 どうにか落ち着いたと息をついた瞬間と同時に、歩はチャーに怒鳴りつけた。
「うるせー!この変態!ドエス!」
 いつもの歩に戻っている。禁忌を犯すときの歩は別の何かが乗り移ったかのようにおとなしく、そしてチャーに対して従順だ。
 歩は自覚していないだろうが、チャーはそのスイッチの切り替えも含めて、歩を楽しんでいた。
「じゃあその相手をしてるのは誰?」
 チャーは一度達しているが、チャーは歩に触れてさえもいない。掠めるように制服越しに歩の下半身に触れると、歩の身体が硬直した。
 歩の性器は既に形を変え主張を始めている。チャーへの愛撫で歩が興奮していることは明らかだ。歩の言い訳は通用しなかった。
 途端に勢いを失った歩を見て、チャーは今日も勝ちを確信する。尤も、チャーがこの行為を目的にして歩を部屋に入れるようになってから負けたことなどない。
「歩ちゃんだって悪くないんでしょ?」
チャーの問いかけに歩は黙ったままだった。下半身に触れたままのチャーの手を払おうとするが、歩の手に力はない。本気になればいくらでも拒否できる状況下で、歩の拒否は拒否たりえないほど形骸的だった。
「俺たちってバランスいいじゃん」
「馬鹿じゃねえ」
「その馬鹿含めてってこと」
 あえて歩と自分が同じであるかのように表現する。チャーは歩に二人だけの関係がいかに特別であるかを刷り込んでいた。
 歩は今の事態も、二人の関係もまるで分かっていない。チャーはそれが不満だった。
 チャーが幾度となく繰り返して、ようやく歩はそれを認識するかしないか五分と言ったところだ。それでもまったく無自覚よりは余程進歩している。
「してもいい?」
 チャーの問いかけに歩は小さく頷いた。素直に受け入れる歩はチャーにとって愛おしいより先に、可笑しくてたまらなかった。
 歩に気づかれぬようチャーは時計を見遣る。ここの時計は十分遅れているが、それでも事足りるだろう。チャーは歩のベルトのバックルに手をかけた。
 二人きりの世界は、二人の関係を歪めていた。
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